野分過ぐ物語られぬこと数多/多読記(6)
台風は朝のうちに去っていった。
午後、イシス編集学校の響読会で『物語の函』を読む。
解説、図解、他では聞けない話がどんどん出てくる。
特に印象に残ったのは、スペインの話。
「神の世界から人の世界へ」。ルネサンスの潮流は「母語」から「国語」を作る推進力にもなった。そして「国語」こそが「国民国家」の母となる。
1492年は、コロンブスがアメリカに到達した年だが、人文学者ネブリハが『カスティーリャ語文法』を女王イサベルに献上する。スペインが帝国となり、中南米が「スペイン語圏」となる、最初のきっかけとなったのが一冊の文法書だったとは。
ロシアの文学、チェーホフは高校時代好きだったが、ゴーゴリとプーシキンは未読だった。
なにか名前の印象だけで避けてきたが、そろそろ読んでみよう。