幸福な火傷むかごの天ぷらや/多読記(17)
敦賀での仕事の後、京都駅でご飯を食べる。
長男が早く帰る必要はないから、どこかでゆっくりご飯をたべてきたらと言ってくれたのである。
10分迷って、伊勢丹11階で憧れのカウンター天ぷら。
私は一人だったけど、周りのお客さん(だいたい大人のカップル)は大いに食べ、ワインを傾け、語らっている。大将ともなじみらしい。
久しく見失っていた「幸福の形」を目の当たりにする。
それにしても口の中を火傷せずに天ぷらを食べられるようになるのはいつだろう。
食後、駅の大階段を降りることにする。
足元がうすぼんやり青く光っていて、転げ落ちそうになる。
下まで降りてびっくり。
ハロウィン仕様になっていた。
「うちら、めっちゃ写真のじゃまになってたやん」と隣の女の子たちが話していたが、まさに私もそうであった。