山水路考

本の記録です。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

思うさま蜜柑啄むメジロかな(31)

小1の娘「あのね、今日学校で習ったんだけど、ひらがなより漢字のほうが先に生まれたんだって。カタカナはひらがなより後なんだって」。そうなのだ。 ・・ イシス編集学校輪読座「白川静を読む」、ようやくキャッチアップする。 最初に、バジラこと高橋秀元…

メジロ待つ輪切り蜜柑のあたたかき(30)

ホーソーンの『緋文字』。 20年ほど前に新潮社が出した本で読んだ。今回、岩波文庫版で読んでいるが、おもしろくてページをめくる手がとまらない。ただ、主人公の名前が「ヘスタ・プリンヌ」となっているのがちょっと違和感。姓は「プリン」のほうが個人的に…

金色に染まる小さき人と鹿(29)

夕方、若草山に登る。上るにつれて光が金色を増す。一重目から奈良を見はるかすと、あわく霞み、野のあちこちから煙が立ち上っている。万葉集の歌を思い出す。よく見ると炊飯の煙ではなく、野焼きであった。長男が望遠レンズで自分が住んでいるマンションを…

春泥を踏みて駅舎を見あぐ朝(28)

歌仙巻き、偶然、挙句にあたる。 季節は「三春」か「晩春」。最も好きな季語は…歳時記をめくりながら「春泥」だと気づく。 春泥を「地」に、何をターゲットにし、どんなプロフィールをあらわすか。 連想をひろげるために岡潔の『春宵十話』を読み返す。 「た…

剪定の枝に冬毛の猫丸し(27)

小1の長女が小学校の図書室で毎日のように本を借りてくる。 漫画の「ひみつ」をひとしきり借り終わった後、きらきらした表紙にくるまれた過去の名作本を借りてくるようになった。 『リジ―の結婚』? ラノベ風の表紙。結婚って…早すぎるやん。一瞬目をそらし…

桜の紅葉散り始めたり空青し(26)

『方法文学』(松岡正剛、千夜千冊エディション)レジメづくりのため、『ねじの回転』(ヘンリー・ジェイムズ)を読む。 19世紀の小説なのにすらすら読める。モダンに片足を突っ込んでいる? 全体にとても映像的。 終盤、主人公の女の子の表情の変化描写が凄…

夕暮れや三角屋根に四角屋根(25)

夕方、長男、長女と一緒に本屋さんに定期購読している雑誌『子供の科学』と『星ナビ』を取りに行く。 帰り道は西むき。 「いい感じのトワイライト」とカメラを取り出して撮る。 商店街の電灯の形がなかなかいいことに気づく。 家に近づくにつれどんどん暗く…

コムクドリあちこちを見る秋の庭(24)

庭に見慣れない鳥がいるのを見つける。 はじめ、スズメ?と長男に言うと、「違うよ!」といって、静かにカメラを取り出し撮影し始めた。 ものすごくいい顔でカメラを置いた。 野鳥の本で調べるとどうもコムクドリの雌らしい。 初めて聞く名前である。 ムクド…

こりこりとくらげ食む夜の火星かな(23)

「脳の限界ってどれぐらいなんかな?」とだしぬけに長男に尋ねられた。 え、、、無限大じゃないと答える。 「もしかしたら、記憶の取り出しがまずいだけなんかな?」 長男(12)が、記憶の想起についてあれこれ話しかけてきた。 最近、ぼーっとしていると、…

一箱の本を持ち寄り秋麗/多読記(22)

久しぶりに日曜日の 一箱古本市。 店主のみなさんとプチ近況報告しながら、本を買ったり、お菓子を買ったり。 多読ジムで話題に出た『五重塔』『アメノウズメ伝』に加え、『善の研究』も買ってみる。 これも20年越しの未読本である。 帰ってきて長男に見せる…

眉を描き口紅引いて駆けだして/多読記(21)

歌仙巻き、恋の句にあたる。 恋、、、恋ってなんだっただろう。 ちょうど読もうとしていた『失われた時を求めて4 花咲く乙女たちのかげに』に材料を探す。 もうひとつ、登校前に長女がみてる番組でドリカムの『晴れたらいいね』が流れていたのを思い出し、…

ふわふわとISSでピザパーティー/多読記(20)

イシス編集学校の風韻講座韻去者が集うラウンジで、オンラインで歌仙を巻く仲間に入れてもらった。 ルールももうあやふやになっていたが、ガイドばっちり、句もどんどん捌いていただけるのでもう、堂々と出してしまう。 捌いてくださるだけ でなく添削もして…

黒猫が丸くなりおり秋時雨/多読記(19)

雨の中、皮膚科へ。 帰りにお昼ご飯を探しがてらぶらぶらしていて、和菓子屋さんで「わらびもちドリンク」を買う。 秋になりもう終了していたと思っていたから、看板を見た時はこころが逸った。 ひとすすりして、わらび餅がストローを上ってきたときはハッと…